【レビュー】『神は遊戯に飢えている。』仮想世界で神々と頭脳戦

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今回は「世界の終りの世界録」や「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?」の著者である「細音啓」さんの新作

『神は遊戯に飢えている。』

のレビューです

『神は遊戯に飢えている。』評価

「神は遊戯に飢えている。」の評価は

 

☆4.5

 

です

 

評価の詳細は後半に書いていきます

『神は遊戯に飢えている。』作品情報

  • 著 者
    「細音啓」さん
  • イラスト
    「智瀬 といろ」さん
  • ジャンル
    ファンタジー、知略戦
  • レーベル
    MF文庫J
  • 出版社
    KADOKAWA

本記事で使用している画像の知的財産権は上表の著者・イラストレーター・発行元に帰属します

『神は遊戯に飢えている。』あらすじ

『キミ戦』の細音啓最新作。人類VS神々の至高のファンタジー頭脳戦!

 

暇を持て余した至高の神々が作った究極の頭脳ゲーム「神々の遊び」。永き眠りより目覚めた元神様の少女レーシェは、開口一番にこう宣言した。

「この時代で一番遊戯の上手い人間を連れてきて!」

指名されたのは“近年最高のルーキー”と注目される少年フェイ。二人が挑む「神々の遊び」は難易度高過ぎで完全攻略者はいまだ人類史上ゼロ。なぜなら神様は気まぐれで、とっても理不尽で、たまに理解不能だから。だけどそんなゲームだからこそ、心から楽しんで遊ばなきゃもったいない!

ここに、天才ゲーム少年と元神様の少女と仲間たちによる、至高の神々との究極頭脳戦が幕を開ける!

引用:MF文庫J「神は遊戯に飢えている。」特設サイト

『神は遊戯に飢えている。』キャラ紹介

フェイ

神秘法院 秘蹟都市ルイン支部所属の使徒 本作の主人公

デビュー以来、無敗の3連勝と期待のルーキー

他の使徒が勝つことに必死な中ゲームは勝っても負けても楽しむものといつも神々との遊びを楽しんでいる

急に目の前から姿を消した幼少期いつもゲームをしていた赤い髪のお姉ちゃんを探している

レオレーシュ

本作のもう1人の主人公

人間の世界でかくれんぼをして海底に隠れてそのまま寝てしまったら2,000年経ってたうっかり神、フェイト同じくゲームは全力で楽しむものという考え

神様だけあって誰もがうらやむ美貌だが胸は小さい、元とはいえ神様なので本気を出せば街1つを亡ぼしかねない

目覚めてすぐの頃は力の加減を知らなかったため使徒を半殺しにしたりしたため恐怖の対象になっている

パール

神秘法院 秘蹟都市ルイン支部に所属する使徒のひとり、テレポートと位置交換の2種類の能力を持つ

自分の失敗でチームを敗北させてしまった経験から使徒を辞めようとしていたところをフェイにスカウトされる

たわわな胸を持っているためレオレーシュにやっかみを受けることが多々ある

マチルダ

神秘法院 秘蹟都市ルイン支部の事務長

仕事量が多いため睡眠時間を確保するのも一苦労だが、そんなのお構いなしに突撃してくるレオレーシュの対応でさらに睡眠時間が削られている

その八つ当たりの対象は大体フェイになる

ダークス

神秘法院 聖泉都市マ=ルラ支部のエース

イケメンでゲームの腕も確かな実力を持っているが、とあるゲームでパールが名付けた「パールファイア」に対抗し「ダークスサンダー」と名前を付けたりと残念な面もある

ケルリッチ

ダークスと同じチームの褐色肌の女性

いつも冷静でダークスのこともチームメイトですからと気のない言い方をするが、態度はダークスのことを好きなことが初対面の人にもバレバレ

ネル

ダークスと同期の聖泉都市マ=ルラ支部所属の使徒

すでに3敗し使徒の資格は失っているがフェイの「勝っても負けてもゲームは楽しむもの」という考えに感動し、フェイのチームに入れてもらおうと奔走する

なぜかござる口調

『神は遊戯に飢えている。』レビュー

暇を持て余した神々に10勝するとなんでも願いをかなえてくれるという「神々の遊び」

それに挑むのは神に指名された「使徒」と呼ばれる人間たち

そんな使徒の1人であり3勝0敗の天才ルーキーと言われる「フェイ・ティオ・フィルス」

そして人間たちとかくれんぼをしてそのまま2,000年間眠ってた、うっかりな元神様「レオレーシュ」

出会うべくして出会った1人と1柱がスケールのデカい「神々の遊び」に挑む

 

神々との頭脳戦がメインのストーリーですがヴァーチャル世界での戦いになるのでゲーム内での死が現実の死になるわけではないので悲壮感はなく、全体的に明るい作風になっています

しかし死ぬことがないので、内容が理不尽だったり神の力で人間たちをぶっ飛ばしたりと容赦はないものだらけですが、神様たちはルールに対しては不正することなく、とにかくゲームを楽しもうとしているのは好感が持てるし

2巻で登場する「マアトマ2世」に対してパールが

「1世の神さまもいるんですか?」

「いない」

「紛らわしいですねっ!?」

引用:「神は遊戯に飢えている。」2巻より

みたいなやりとりがあったり、ちょっと人間くさくてかわいらしいです

 

そんな人間くさい神様たちとのゲームは

・ヒントが少ない

・理不尽

・神々の圧倒的な暴力

といった感じで頭脳戦というよりは少ないヒントから愚直な検証と直感と閃きからひとつづつ進んでいく謎解き感が強く、ヒントの少ない洋ゲー(MISTみたいな)感があって好きです

登場人物たちも個性の強い(アクの強い)キャラが多く、常識人のフェイはツッコミに回ることが多いです

1巻途中で仲間になるパールは気が弱い系のキャラかと思っていたら2巻では勘違い系へと進化(?)しかなりおもしろいキャラになってました

 

2巻でマル=ラ支部へ遠征することになったフェイ達が出会う「ダークス」「ケルリッチ」「ネル」は、作中でフェイも言っていたけど新登場のキャラたちが濃すぎる(笑

特にダークスはマル=ラ支部のエースでゲームの実力も確かなのに、神々のゲームの前にファイ達と戦ったすごろくとカードゲームが融合したような心理戦ゲームで、パールが「パールファイヤ」と勝手に魔法カードの名前を変えた微妙なネーミングセンスに対抗し「ダークスサンダー」と名前を付けたりと完璧に見えて少しポンコツなところがかわいかった(笑

『神は遊戯に飢えている。』まとめ

「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?」ではシリアスなストーリーを描いていましたが今作の「神は遊戯に飢えている。」は、登場人物のやり取りはコメディ要素が多く、神々とのゲームではバトルありの頭脳戦で伏線もしっかりと張られていて、ゲームのラストは熱い展開にワクワクすること間違いないので万人に読みやすい作品になっています

頭脳戦が好きな人、伏線回収が好きな人には刺さる作品なので手にしてみてはいかがでしょうか?