今回は第15回小学館ライトノベル大賞優秀賞を受賞した
『公務員、中田忍の悪徳』
のレビューです
『公務員、中田忍の悪徳』評価
「公務員、中田忍の悪徳」の評価は
☆4.0
です
評価の詳細は後半に書いていきます
『公務員、中田忍の悪徳』作品情報
- 著 者
「立川 浦々」さん - イラスト
「楝蛙」さん - ジャンル
ローファンタジー - レーベル
ガガガ文庫 - 出版社
小学館
本記事で使用している画像の知的財産権は上表の著者・イラストレーター・発行元に帰属します
『公務員、中田忍の悪徳』あらすじ
未知との遭遇ーー地方公務員×異世界エルフ。
区役所福祉生活課支援第一係長、中田忍(32歳独身)。
トレードマークは仏頂面、責任感が強く冷酷で誠実、他人に厳しいが、自分自身にはもっと厳しい男である。
無感動、無愛想、無慈悲の三拍子揃った生き様は、他の職員に“魔王” “爬虫類” “機械生命体“などと評され陰口を叩かれているが、忍はどこ吹く風であった。
ある日の深夜。
仕事から帰宅した忍は、リビングに横たわるエルフの少女を発見した。
濡れタオルで鼻と口を押さえつつ、知恵の歯車を回し始める忍。
仕方あるまい。
忍は、地球の危機を悟ったのだ。
異世界からの来訪者と遭遇した際、まず警戒すべきは“異世界の常在菌”である。
仮に異世界エルフの常在菌が、人類絶滅系の毒素を放出していた場合、焼却処理では間に合わない。ダイオキシンの如く、半端な焼却処理が土壌を侵し、その灰が風に乗り雲になり、毒の雨となって大地に降り注ぐ可能性も否めないのだ。
ならばエルフを即座に、極低温で凍結し、最善で宇宙、あるいは南極、最悪でも知床岬からオホーツクの海底へ廃棄するしかない。
必死に足掻く忍の前で、エルフの両瞼がゆっくりと開きーー
第15回小学館ライトノベル大賞優秀賞を受賞した、紛うことなき問題作。
引用:BOOK☆WAKER
『公務員、中田忍の悪徳』キャラ紹介
中田 忍(なかた しのぶ)
区役所福祉生活課で働く公務員、役職は係長
他人に厳しく自分にも厳しくまじめすぎるため周りからは「魔王」「爬虫類」「機械生命体」などと言われているが本人はまったく気にしていない
自分の知識やうんちくを語り始めると止まらない癖がある
一ノ瀬 由奈(いちのせ ゆな)
区役所福祉生活課で働く忍の部下
周りには愛想のいい美人として好かれているが、みんなが見ていないところで忍をおちょくることが大好き
職場で恐れられ誰からも話しかけられない忍に話かけることができる人物
直樹 義光(なおき よしみつ)
忍の大学時代からの友達、仕事は大学の助教
めんどくさい性格の忍の友達だけあって余計なことは思っても口には出さない
アリエル
突如、忍の部屋に現れた謎のエルフ
『公務員、中田忍の悪徳』レビュー
部屋に帰ったらエルフが倒れていた!
大抵の作品なら異世界のエルフとほのぼの交流路線になるところが、エルフが倒れていた部屋は超リアリストな公務員の部屋だった!
まさに未知との遭遇w
しょっぱなから人類にとって害のある菌を持っている可能性があるため、液体窒素で凍らせようとしたり真面目すぎるにしても程があるw
なまじ知恵が回るのと真面目すぎるのが合わさり最強のように見える・・・じゃなく、本人はいたって真面目なんだが、ちょっとズレたところもあるためコメディになっちゃってますw
舞台と登場人物は忍の住むアパートの中というクローズドな状況で、まじめだがどこか抜けたところのある忍と、常識人な親友・義光、同僚であり忍に奇譚なき意見を言える由奈の3人の会話劇がメインになっていて、特に真面目な忍に対し同僚の由奈が容赦ない毒舌を浴びせるやりとりが笑えます
個人的に好きな場面は絵心のない忍に義光が「さすがにこれはない」とツッコむと「デフォルメがすぎた」と自分の絵心のなさにまったく気付いてなくて忍がまじめに返すところですね
『公務員、中田忍の悪徳』まとめ
言葉の通じないエルフとの遭遇にアパートの中で大人3人が四苦八苦する姿がおもしろい「公務員、中田忍の悪徳」
コメディというより喜劇に近いタイプの作品なので人は選ぶかもしれませんが面白いのでオススメです!