今回はアニメ化も決まり「このライトノベルがすごい」で2年連続TOP10入りした「ぼくたちのリメイク」のスピンオフ作品
『ぼくたちのリメイク ver.β』
のレビューです
『ぼくたちのリメイク ver.β』評価
「ぼくたちのリメイク ver.β」の評価は
☆5.0
です
評価の詳細は後半に書いていきます
『ぼくたちのリメイク ver.β』作品情報
- 著 者
「木緒なち」さん - イラスト
「えれっと」さん - 発 行
KADOKAWA - ジャンル
ビジネス、クリエイト系 - レーベル
MF文庫J
本記事で使用している画像の知的財産権は上表の著者・イラストレーター・発行元に帰属します
『ぼくたちのリメイク ver.β』あらすじ
僕、橋場恭也はしがないゲームディレクター。会社が倒産し、企画もとん挫して実家に帰ってきたが、目が覚めたらなぜか十年前に……戻ることもなく、偶然が重なり大手ゲーム会社、サクシードソフトに拾われることに。配属されたのは第13開発部。そこは開発とは名ばかりで実際は社内の雑用を担うサポートのような部署だった。クセの強い同僚だらけのそこで僕はとある没企画書を見つける。それは実現が難しいとして没にされたものだったが可能性に満ちていて――。「好き、だったんですけどね……。ゲーム、作りたかったな」「なんとかしよう、なんとかするんだ……っ」いま、ここからもう一度始める青春やり直しストーリー!
引用:BOOK☆WALKER
『ぼくたちのリメイク ver.β』キャラ紹介
橋場 恭也(はしば きょうや)
再度、就職活動をしていたところ偶然、河瀬川 英子と知り合い、憧れのゲーム会社「サクシードソフト」に入社することになるが、そこは窓際部署「処刑部屋」と呼ばれる第13開発部だった
入社当初はゆるい仕事で給料が入ることに流されていたが、同僚の一言をきっかけにゲーム作りの情熱を思い出し奔走し始める
河瀬川 英子(かわせがわ えいこ)
「ぼくたちのリメイク」にも登場していたあの川瀬川 英子の10年後
本編と同じように仕事ができ30歳前にしてサクシードソフト第2開発部の部長を務める
10年たっても別な未来でもあいかわらずまじめでツンデレでかわいいです
早川
恭也の友人 広告会社勤務
就職活動をしている恭也を1カ月部屋に泊めてくれたり、ピンチの時にアドバイスしてくれたりする
堀井 一久(ほりい かずひさ)
第13開発部の部長 通称:タコ焼きさん
当り障りなく業務を行う気弱なおじさんだがいざという時は部下のために体を張る
宮本 寛司(みやもと かんじ)
第13開発部の主任 通称:チャラジ
茶髪でいつも定時上がり責任をなすりつけがちで楽したがる
元は出版関係の部門で頭角を現していたが上司の妬みにより第13開発部に移動させられる
小島 三友(こじま みゆう)
第13開発部のスタッフ 通称:女王
黒髪スーツでいつも定時上がり、元経理のためか仕事はミスも少なくそつなくこなす
今のサクシードソフトの経理部で使っているシステムの大本を作った才女だが、上司の妬みにより第13開発部に移動させられる
桜井 理都子
第13開発部のスタッフ 通称:リス子
ミスの多いおっちょこちょいだが子供のころからゲームが大好きで、自分もそんな面白いゲームを作りたいと思っていたがことごとく企画を馬鹿にされ自信喪失していたが、橋場との出会いにより諦め抱えていた夢を思い出し2人で新たなゲームの企画を立ち上げる
伊知川 実花(いちかわ みか)
おっとりしたしゃべり方が特徴の恭也が住むアパートの管理人
管理人は趣味でやっており本業は老舗ゲーム会社「ビークラフト」の役員
竹那珂 里桜(たけなか りお)
本編では恭也や茉平と一緒にバイトしていた元気娘
β版ではジワンゴのニコ生を担当している
茉平 康(まつひら こう)
サクシードソフト創業者の息子で同社の常務取締役
喋り方もフランクでノリもよく仕事もできる、しかし社内外での評判はかなりヤバく自分のためにしか動かず他人の感情を理解しようともしない
『ぼくたちのリメイク ver.β』レビュー
働いていた美少女ゲーム会社が倒産し無職になった橋場 恭也
プラチナ世代と呼ばれる脚光を浴びるクリエイターたちと共に仕事をしたいと願い10年前に戻れれば!と思ったものの、もちろんそんなSFじみたことは起こらず・・・
本編では10年前にタイムスリップした恭也がタイムスリップしなかったらその後どうなったか?
というifを描いたのがこの「ぼくたちのリメイク ver.β」です
本編の「ぼくたちのイメイク」がタイムスリップというSF要素×大学生活の青春×ラブコメ×クリエイトものに対して「ver.β」は
クリエイト×ビジネス
という大人の話になっています
河瀬川 英子との偶然の出会いから大手ゲーム会社にはいることになるが配属されたのは窓際部署で、そこの社員はリス子1人を除いて定時で帰るというやる気のなさ
しかしまだやる気のあるリス子の企画を通したいと思った恭也は部内の仕事の効率化を図り、企画会議の時間を作るが、効率化しすぎたせいで今度は部の存続が危ぶまれる事態になる
その影には茉平 康(まつひら こう)常務率いる革新派と、旧態然とした保守派による派閥争いが関係していて企業の暗い部分に巻き込まれていく
と様々な思いに巻き込まれていくんですが
リス子の原石ともいえる企画に触発され、企画を完成させるためやる気のないタコ焼きさん、女王たちをやる気にし巻き込み、重役会議で企画のプレゼンをしていくがもちろん一筋縄ではいかず・・・と
たくさんの試練にさらされていくことになる恭也たちが、それらを見事にひっくり返していく様は、ジャイアントキリング!といった感じで爽快感がありまくりです
学生の人は本編のほうが共感できる部分が多いでしょうが、個人的に社会人であればこちらの「ver.β」のほうが共感できる部分は多いと思うのでかなりオススメです!
本編「ぼくたちのリメイク」3巻でも10年後の話があり河瀬川といっしょに難題をクリアしていくことになりますが、こちらはまた別な時間軸、別なゲーム会社での話で登場人物も本編とは違いますがかなり面白いです
そして2巻ではシノアキや貫之、九路田、3巻ではナナコや竹那珂さんといった本編のキャラも登場します
特に九路田は河瀬川と同じ第2開発部所属ということでプラチナ世代とゲームを作る同じプロジェクトに関わっていて、河瀬川がシノアキのことをシノと呼んだり、シノが九路田のことを「クロちゃん」と呼んでいるのが違う歴史なんだなと思わせてくれたり
なにより本編でライバルだった九路田と共に同じ仕事をするのは胸アツです!
こんな感じで「ぼくたちのリメイク」本編を読んだ人ならニヤリとする場面もたくさんあり楽しめます
『ぼくたちのリメイク ver.β』まとめ
終わり方は大団円という訳ではないので読む人によって賛否両論分かれると思いますが、今後も苦しく悩むことがあっても恭也は仲間たちといっしょにゲーム作りをしていくんだろうな・・・と感じさせる終わり方で、個人的には痛さの中にも前向きに進んでいくという感じで好きな終わり方です
3巻でβ版は完結となりますが本編のキャラがβ版に登場したように本編にも今後登場するかもしれないという期待と、β版のストーリーの根幹にかかわる
「茉平 康がゲームを毛嫌いするようになった出来事とは?」
本編では優しい茉平先輩がなぜあんなにもひねくれてしまったのか?という解明されていない謎が残ったままになっていますが、その「とある出来事」は今後本編にもかかわってくるんでしょうね
そう考えるとβ版単体で読むとスッキリ感が少な目になってしまうと思うので、未読の方はぜひ本編から読んで欲しいところです
「本編8冊も発売されてるから読むの厳しいな~」
という人はアニメが放送されてから決めてもいいと思いますよ