今回は第13回小学館ライトノベル大賞のガガガ賞と審査員特別賞をW受賞した
『夏へのトンネル、さよならの出口』
のレビューです
『夏へのトンネル、さよならの出口』評価
「夏へのトンネル、さよならの出口」の評価は
☆4.5
です
評価の詳細は後半に書いていきます
『夏へのトンネル、さよならの出口』作品情報
- 著 者
「八目迷」さん - イラスト
「くっか」さん - レーベル
ガガガ文庫 - ジャンル
青春、SF - 出版社
小学館
本記事で使用している画像の知的財産権は上表の著者・イラストレーター・出版社に帰属します
『夏へのトンネル、さよならの出口』あらすじ
時空を超えるトンネルに挑む少年と少女の夏。
「ウラシマトンネルって、知ってる? そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入るの」
「なんでも?」
「なんでも。でもね、ウラシマトンネルはただでは帰してくれなくて――」
海に面する田舎町・香崎。
夏の日のある朝、高二の塔野カオルは、『ウラシマトンネル』という都市伝説を耳にした。
それは、中に入れば年を取る代わりに欲しいものがなんでも手に入るというお伽噺のようなトンネルだった。
その日の夜、カオルは偶然にも『ウラシマトンネル』らしきトンネルを発見する。
最愛の妹・カレンを五年前に事故で亡くした彼は、トンネルを前に、あることを思いつく。
――『ウラシマトンネル』に入れば、カレンを取り戻せるかもしれない。
放課後に一人でトンネルの検証を開始したカオルだったが、そんな彼の後をこっそりとつける人物がいた。
転校生の花城あんず。クラスでは浮いた存在になっている彼女は、カオルに興味を持つ。
二人は互いの欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶのだが……。
引用:BOOK☆WAKER
『夏へのトンネル、さよならの出口』キャラ紹介
塔野 カオル
妹のカレンを事故で失ってから後悔で空っぽのまま生きている高校2年生
ある日、都市伝説と聞いていた「ウラシマトンネル」を見つけ妹を助けることができるかもと調べ始める
花城 あんず
カオルのクラスに都会から転校してきた
美人であるものの常に一人で本を読み「孤高の人」と揶揄されクラスでも浮いた存在、軽いイジメにあうが相手をグーパンで殴るなど行動と言動は過激
利害関係からカオルとともに「ウラシマトンネル」を調べることになる
加賀 翔平
カオルのクラスメイトで友人
見た目は快活で運動部に所属していそうだが書道部所属のインテリ
趣味は人間観察
川崎 小春
カオルのクラスメイト
クラスのカーストのトップでわがままし放題でカオルをパシリとして使っている
塔野 カレン
カオルの妹
明るく活発な子供だったが事故により亡くなっている
『夏へのトンネル、さよならの出口』レビュー
なんでも願いが叶うがトンネルから出ると年を取ってしまう「ウラシマトンネル」という都市伝説を、田舎の高校に通う「芯」を持たない主人公と、都会から転校してきた「芯」を持つ少女が体験するひと夏の出来事とボーイ・ミーツ・ガール
ライトノベルというよりライト文芸に近い内容で妹の死をきっかけに家族崩壊そして家族から拒絶される主人公・・・
と、最初の40ページくらいで主人公の重すぎる境遇に読むのを辞めようかと思ったんですが、そこから「ウラシマトンネル」というSF要素が加わり物語が始まります
SF要素が強い本作ですがストーリーが進む中で、過去に囚われ他人と距離を取っていたカオルがあんずの将来のことを気にかけ現在を見るようになったり、自分の夢を追うか主人公を追うかで迷い未来を進むことにしたあんず、あんずと出会うことにより自分を変えたいと行動する川崎・・・
と、高校生という思春期真っただ中の登場人物たちが出会いの中で自分自身を見つめ成長していく姿がメインの話だと感じました
後半はあっという間の読んでしまう面白さで途中で読むの辞めなくてよかったです(笑
『夏へのトンネル、さよならの出口』まとめ
原作が1巻完結ですので劇場アニメに向いているんじゃないかと思う内容で、青春SFというと「君の名は」や「時をかける少女」が有名ですが、この「夏へのトンネル、さよならの出口」もこれらの作品と同じくらい面白いので青春SFが好きな方にはおすすめの作品です
また著者の八目迷さんの別作品「きのうの春で、君を待つ」「ミモザの告白」も評判いいようなのでこちらも読んでみようと思います