『魔王2099』レビュー 魔王が復活したのは科学と魔法が融合した近未来!?

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魔王2099

今回は第33回ファンタジア大賞を受賞した

『魔王2099』

のレビューです

『魔王2099』評価

「魔王2099」の評価は

 

1巻だけだと☆4.0

2巻では☆5.0

 

です

 

評価の詳細は後半に書いていきます

『魔王2099』作品情報

  • 著 者
    「紫 大悟」さん
  • イラスト
    「クレタ」さん
  • 出版社
    KADOKAWA
  • ジャンル
    ファンタジー、サイバーパンク
  • レーベル
    富士見ファンタジア文庫
  • 紙初版日
    2021年1月20日

本記事で使用している画像の知的財産権は上表の原作者・漫画家・キャラクター原案者・発行元に帰属します

『魔王2099』あらすじ

第33回ファンタジア大賞――異次元の《大賞》受賞作!

 

統合暦2099年――新宿市。究極の発展を遂げた未来都市に、伝説の魔王・ベルトールは再臨した。巨大都市国家の輝かしい繁栄と……その裏に隠された凄惨な“闇”。新たな世界を支配すべく、魔王は未来を躍動する!

引用:BOOK☆WAKER

『魔王2099』キャラ紹介

ベルトール=ベルベット・ベールシュバルト

かつて世界を恐怖に陥れた不死者たちの王

勇者グラムに倒され500年後に復活するが世界はほかの世界と融合し近未来と化していて、最弱状態から物語はスタートする

魔王として傲岸不遜な物言いをするが部下に迷惑をかけないよう仕事を探したり勇者に頭を下げたりと根は素直(笑

マキナ=ソレージュ

ベルトールの腹心 である六魔侯の1人で炎の魔法を得意とする

世界融合後の不死者狩りも生き延びおんぼろアパートで生活をしている、ベクトールが倒れた後も忠義を貫き魔王復活の時には1番に駆けつける

高橋

マキナの友人

公共放送をハッキングできるほどの凄腕のエーテルハッカー

マキナの紹介でベクトールに会い、その容姿の美しさからYOUTUBEのような動画配信を進める

普段はハッカーとしての能力を活かした情報屋として活動している

マルキュス

ベルトールの腹心である六魔侯の1人で吸血鬼の不死者 血液を使った魔法を得意とする

世界融合後はシンジュクを支える超巨大企業IMIH(石丸魔導重工)」の社長をしている

グラム

ベルトールを倒した勇者

魔王討伐時に女神から不死ではないが「不老」の祝福を受けたため現在も生きている

魔王を討ち取った後も幾多の戦いを経験しているが勇者としてではなく浮浪者のような生活を送っており聖剣もその輝きを失っている

木ノ原

IMIHでマルキュスの秘書をしている人間

秘書でありボディガードのような存在で抜刀術を使う

秘書としてなのか意識高い系のビジネス用語を使いまくる(笑

山田・レイナード=緋月

長いツーサイドアップの金髪に緋色と金色のオッドアイを持つ少女

秋葉原を治める御三家のひとつレイナード家の当主だが、幼いころ両親を殺され御三家の象徴とされる王徴(レガリア)を失っているため現在は没落貴族であり、生活のためメイド喫茶でバイトしている

魔法学院に通うも魔力量が少ないため周りからはバカにされている

『魔王2099』レビュー

勇者グラムに倒された不死者たちの王である魔王ベルトールが500年後に復活した世界は、科学技術が発達した世界と融合した魔法と科学が混在する近未来に変貌していた!

復活前の世界とがらりと変わった世界に驚くベルトール、過去において魔法を使うには5段階のステップが必要だが魔王であるベルトールは1ステップを省略することにより魔法戦で負けたことがなかったが、融合後の世界ではファミリアと呼ばれる攻殻機動隊の電脳のような機械を装備することにより、一般人でも簡単に魔法が使えてしまう

恐怖といった負の感情を信仰力=自身の力としていた魔王ベルトールは500年後の世界ではほとんど信仰力もなく大した力を発揮できない状態にあり、一般人と戦ってもボロ負けしてしまう最弱状態で復活

そんな魔王が力を取り戻すためにやり始めたのが・・・

 

ゲーム実況!

 

本人は大真面目にやっているのに見ているほうからしたら「伝説の魔王のなりきり実況者」にしか見えず、これがバズりフォロワー100万人超えを達成し、フォロワーの数を信仰力として力を取り戻していくわ、ついでに収入を得たりと近未来にまさかの即時適応!さすが魔王様!

 

ここまでの説明だと魔法と科学が融合した「マジック&サイバーパンク」な世界でのコミカルストーリーっぽいですが、話の大筋は王道ファンタジーで魔法を使ったアクションも多く読み応えがあります、近未来部分はどちらかというと魔王というかなり偉い存在が時代との不適合部分に戸惑ったりするコメディ感の演出といった感じですね

登場するキャラクターに関しては魔王様以外はそこまで尖ったキャラは少なく、魔王様のキャラが良すぎてちょっと霞んでる感はあります

しかし、中心となる魔王様が過去同様、上から目線の仰々しい喋りかたをしているかと思えば、時代が変わったと感じるや否や就職しようとしたり、不倶戴天の敵である勇者グラムに頭を下げたりする場面があったりとかなり好感が持てます

設定が過去のファンタジーな部分と世界融合後のサイバーパンクな部分など1巻では世界観の説明が多かったり、ベルトールのマキナへの想いなどが急にきたりしてちょっと違和感ある部分があったものの、2巻になるとベルトールが傲岸不遜な物言いをし、どんな発言内容でも全てマキナが肯定し、最後に高橋がツッコむという会話の流れがしっかりできて、ベルトールだけでなくマキナの見せ場もあったり、ベルトールが敵の情報を分析するのにゲームに例えていたり配信者という設定もしっかり活かされていたりと、物語の設定をうまく使っているシーンも多く2巻でかなり進化したな・・・と思わせる内容になっています

『魔王2099』まとめ

特設サイトには試し読みのマンガ版もありますので雰囲気を知りたい人はこちらを読んでみてはいかがでしょうか、復活直後、自分の国がとっくに滅んだことをしたときの顔がおもしろいですw

ファンタジア文庫「魔王2099」特設サイト

2巻に入り敵組織の情報が断片的に出てきたりと3巻への期待を膨らませつつ、1巻であった違和感なんかをまったく感じさせない完成度になっていて、もし1巻で読むのを辞めてしまった人がいるなら読んでみることをオススメします