今回は「夏へのトンネル、さよならの出口」で鮮烈デビューしました「八目 迷」さんの新作
『ミモザの告白』
のレビューです
『ミモザの告白』評価
「ミモザの告白」の評価は
☆4.0
です
評価の詳細は後半に書いていきます
『ミモザの告白』作品情報
- 著 者
「八目 迷」さん - イラスト
「くっか」さん - ジャンル
青 春 - レーベル
ガガガ文庫 - 出版社
小学館
本記事で使用している画像の知的財産権は上表の著者・イラストレーター・発行元に帰属します
『ミモザの告白』あらすじ
その告白が、世界を変える。
とある地方都市に暮らす冴えない高校生・紙木咲馬には、完璧な幼馴染がいた。
槻ノ木汐――咲馬の幼馴染である彼は、イケメンよりも美少年という表現がしっくり来るほど魅力的な容姿をしている。そのうえスポーツ万能、かつ成績は常に学年トップクラス。極めつけには人望があり、特に女子からは絶大な人気を誇っている――。
幼馴染で誰よりも仲がよかった二人は、しかし高校に進学してからは疎遠な関係に。過去のトラウマと汐に対する劣等感から、咲馬はすっかり性格をこじらせていた。
そんな咲馬にも、好きな人ができる。
クラスの愛されキャラ・星原夏希。彼女と小説の話で意気投合した咲馬は、熱い恋心に浮かれた。
しかしその日の夜、咲馬は公園で信じられないものを目にする。
それはセーラー服を着て泣きじゃくる、槻ノ木汐だった。
『夏へのトンネル、さよならの出口』『きのうの春で、君を待つ』で大きな感動を呼んだ<時と四季>シリーズのコンビ、【八目迷×くっか】が挑む新境地。とある田舎町の学校を舞台にした、恋と変革の物語。
引用:BOOK☆WAKER
『ミモザの告白』キャラ紹介
紙木 咲馬(かみき さくま)
陰キャぎみで読書が趣味の高校2年生
幼馴染の「汐」とは小学生の頃はいつも一緒に遊んでいたが高校に入ると疎遠になっていた
槻ノ木 汐(つきのき うしお)
咲馬の同じクラスの幼馴染
イケメンで人望がありクラスでのカーストもトップクラスだが、ある日突然女子の制服で登校し女性として生活すると告白する
星原 夏希(ほしはら なつき)
咲馬や汐と同じクラスの女子
みんなからいじられるキャラのほわんとした雰囲気でかわいい
女装した汐にも積極的に話しかけ咲馬や汐と一緒に下校する仲になる
西園 アリサ(にしぞの ありさ)
咲馬や汐と同じクラスの女子
クラスのカーストもトップクラスで女性の中心
女装している汐に辛辣な言葉を浴びせる
世良 慈(せら いつく)
都会から転校してきた
とても頭がよく見下した言い方をすることもあったり女癖が悪いがコミュ力は高い
『ミモザの告白』レビュー
八目 迷さんの今までの作品「夏へのトンネル、さよならの出口」「きのうの春で、君を待つ」は青春×SFと日常の中に現れた非日常での青春を描いていました
本作「ミモザの告白」はSFではなく「性自認」という重いテーマを含んだ内容になってます
Twitterで読んだ人の感想を見てみると心の性問題「性自認」「性同一性」と重いテーマだけど感動するといった内容が多く、読む前は映画の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「ボーイズ・ドント・クライ」のように、
感動するけど心が痛い!心が痛いけど感動する!
そんな内容をイメージしていましたが読んでみると確かにテーマは重いものの実際は・・・
恋愛×青春!!!
思いっきり恋愛してるし!思いっきり青春してる!
中学時代に失恋したのと同じような状況なのに女の子からのメールや電話に一喜一憂する咲馬や
咲馬のことを考え自分の気持ちを抑えたり、気になっているのにそっけない態度で気を引こうとする汐など
もう完全に青春です!そこに男性女性という性の壁はなかったんだ!
そんな青春を感じさせてくれる場面も多いものの、テーマがテーマなので性自認に対してのそれぞれの考えが違うことによる衝突もあり
・そんな汐と疎遠になっていたが、排他的な田舎にいながら汐の意思を尊重する咲馬と星原
・ちょっと行き過ぎだったところもあるけど、多数派である「普通」でいることが幸せであると考えての行
動するアリサ
・まったく周囲の目を気にすることなく汐に近づく世良
大人になってしまえば気にならないようなコンプレックスも人生最大の障害と考えるような思春期真っただ中の登場人物たちが、答えのない問題にそれぞれの考えでぶつかり合う・・・
そんな姿もまた
青春ですね~
『ミモザの告白』まとめ
ラストが唐突というかこの先を読みたいと思わせてくれる内容になってるので、人によっては尻切れトンボ感が強いかもしれません
個人的には読者の想像に任せられるラストっていうのは好きなんですよね、爽やかな終わり方だったし^^
「ミモザの告白」青春作品を読みたい方にオススメの作品です